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トゥモロー・ワールド (ネタバレなし)

☆近未来「連続」活劇

アズガバンの囚人を監督したアルフォンソ・キュアロンが放つデストピア映画、トゥモローワールド
(原題:Children og men)の最大の特徴は長回し。
巨費を投じ作られたいくつかのロングカットは、まるで目の前で事件が起こっているのかと錯覚させます。
映像の連続性が生むリアリティと臨場感を楽しんでください。

主演は「キング・アーサー」のクライヴ・オ-エン。
疲れた渋いおっさんを好演しています。
この映画で銃を撃たないおっさんを演じた反動からか、その後銃をぶっ放す役ばかりなのでちょっと心配です。


☆人類の子ら

テーマはシンプルで、舞台となるイギリスの空のように暗く重苦しく、しかし光を放っています。
ロードムービーの形式をとるこの作品には主人公セオと同行者を援助する者が次々と現れ、そして消えて行きます。
列車に乗り遅れ、駅に取り残されるかのように。
それでも列車は進み続けます。
親から子へと連続してきた歴史が終わろうとしている黄昏の時に、セオ(=観客)が目撃する混沌と奇跡とは?


★飾り気の無さは人目を引きつけない

200億円を投じた割には、お金がかかっているようには見えません。
発達しすぎたCG技術はあまりに自然で、多くの人はその存在に気がつかないでしょう。
絵作りの面で損をしています。
また、脚本がシンプルすぎます。テーマはストレートに届きますが。

ドキュメンタリーのようなこの映画は終始セオの視点で語られ、セオが知りえない情報は一切説明されません。謎が解明されることもありません。
これは体感する映画です。理路整然とした説明を求める人には向きません。
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ニューワールド  (ネタバレ無し)

☆映像の詩人

ディズニーでも映画化されたことのあるネイティブアメリカンの少女の恋の物語を、寡作で知られる伝説の映画監督テレンス・マリックが実写映画化しました。

ヨーロッパで美術講師をしているというこのテレンス・マリック、とにかく謎が多いです。
登場人物によるモノローグとそれに合わせた詩的な映像が特徴で、彼の映画にはお金を払ってでも出演したいという俳優も多いそうな。


☆美しい自然と人間の醜さ

物語は、新大陸へとやってきた冒険家スミスとネイティブアメリカンのポカホンタスの恋愛を軸に、平和に暮らしていた現地人の生活を破壊したアングロサクソンを描きます。
腐敗しきった欧州を抜け出して新大陸へとやってきた彼らは、天国のように美しいこの土地でも争いをします。

まだ開発されていない北米大陸の様々な時間・季節を映しつつ、人間が怒りや憎しみや欲や無理解を発露すると、毒々しいキノコや足の長い蜘蛛や腐った食物に湧くウジ虫といった不快な映像がカットインされ、これがより強調されます。
人物の状況や心情、物語の展開が映像によって巧みに語られ、天にも昇るような音楽がより一層観る者の感情を揺さぶります。
三人の主人公が体験する新世界を五感で感じて下さい。

この美しい映画を観ずして死ぬなかれ。


★多すぎるモノローグ

脚本家の世界では、モノローグは一種の禁じ手と言われているそうです。
映像と音楽と俳優が一体になって物語を表現をする映画というメディアで、これを多用するのは好まし事ではありません。
監督はもうちょっと、映像や音楽や俳優の持つ力を信じてもいいのではないでしょうか。
古典や戯曲からセリフを引用する「インターテキスト」の手法もほどほどにして。

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トランスフォーマー  (ネタバレ無し)

☆破壊大帝マイケル・ベイ

派手な絵作りでヒットを飛ばすマイケル・ベイ監督、今作でもやってくれました。
大爆発とアメリカ軍と特撮で、大味なハリウッド映画好きをハッピータイムへと誘います。
「アメリカ軍がここまで協力してくれるのは俺くらいなもんだぜ~」と豪語するだけのことはある。
ちなみに、劇中でメガトロンに指で弾かれる市民はベイ監督本人です。


☆物量は正義

この映画の魅力はなんといってもロボット達の変身シーン。
一体につき数万のパーツをひとつ一つ組み合わせて乗り物から人型へとトランスフォームする様は、「映像革命」という宣伝文句通り。
スローやコマ送りで見たくなりますね。
試作されたGCロボットをリアルタイムで動かそうとしたところ、会社のサーバーがダウンしたという逸話もあります。

もう一つの魅力は音響効果。
音響の良い映画館で観たのですが、こちらも音響革命といっていい程の迫力でした。
バリケードがサムに話しかけるシーンは、まるで地獄の底から声が響いているかのよう。
未知の世界からきたメカを、音の面でも表現しています。
この映画は出来るだけ高画質・大画面・高音質・大音量で観て下さい。


★雑
わかりにくくしてソフトを買わせる気なのか、それともストーリーテリングに興味がないのか、編集が雑な感が。いつも通りと言えばそうですが。
スケールはデカいんだけど、ただそれだけ。大雑把。まさにアメリカ。

スピルバーグ秘蔵っ子のシャイア・ラブーフは日本では不評ですね。
茶目っ気があって憎めない顔ですが、浸透するにはもう少し時間がかかりそうです。

ちなみに3も公開が決まっているようなので期待してます。

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スカイ・クロラ  (ネタバレなし)

☆モラトリアムを生きる

モラトリアムとはフランス語で「猶予」を意味します。
大人になるまでの猶予。
生まれてから死ぬまでの猶予。
その猶予をいかにして過ごすか、それがこの映画のテーマです。

ずっと子供の体のままのキルドレとか、ショーとしての戦争とか、どうでもいいんです。
そんなものは表層にしかすぎません。

これは、ストーリーを見て楽しむ類の映画ではありません。
空に浮かぶ雲のようなふわふわとした「雰囲気の映画」です。
どこまでも青い空や、美しい音楽や、作画で表現された細やかな演技などはもちろん見所ですが、リラックスしてただ画面を眺めてモラトリアムの雰囲気を感じてください。
観終わる頃には(あるいは観てる途中に)眠くなっているでしょう。
それがこの映画の正しい見方です。


☆おとなのおとこ

この映画を理解するための一番のポイントは「大人の男」です。
大人の男がなにを現しているのかが解らなければ、あなたは短い人生のうちの貴重な2時間を無駄にすることでしょう。

大人の男、それは社会のルールを作る者達。
自分達の都合のいいように法律を作り、パーティーを開いて人脈をつくり既得権益をむさぼる。
この映画に出てくる「ティーチャー」が無敵で無慈悲なのはその表れです。

古来より、いかに奴隷から搾取しその支配を持続するかを、頭の良い人達は考えてきました。
戦争をし領土を広げたのもそのためです。宗教も発明しました。
そういった大人の男から自由と女を奪い取るために奮起するという物語は、やはり古来より存在しました。

太古の人間社会では「原始的ホルド」と呼ばれる長老が村を支配していたと考えられています。
その支配に不満を持ってこれを倒し、その肉を食らい(トーテムと言う)、女を奪うという物語のアニメーションがありましたね。エヴァンゲリオンです。
ちなみにシンジの父親の名のゲンドウは、原始的ホルドを縮めたものだというのは私の確信的推測です。

カンナミユーヒチはイカリシンジとは違った運命を迎えましたが、お話の構造はまったく同じです。
同じストーリーを、違う人が手を変え品を変え表現するのも映画のおもしろさですね。


★「退屈」を体現した映画

観るひとによってはたまらなく退屈な映画です。
だって、死んで終わるまでの退屈な人生をいかに生きるかがテーマですから。
退屈な人生を描くのに、退屈なシーンをこれでもかと詰め込みました。
そりゃあタバコを吸いたくもなりますよ。
「たった一度の人生だ。挑め!戦え!」という押井守のメッセージは、あまりの退屈さに寝てしまった観客に届くんでしょうか。







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天使と悪魔   (ネタバレなし)

☆サクサクミステリー

「ダ・ビンチコード」のダン・ブラウン原作のシリーズ第2弾!(原作が出版されたのは天使と悪魔の方が先)
今回もトム・ハンクスが演じるハーバード大の教授ロバート・ラングドンが、キリスト教がらみの事件に巻き込まれます。
物語全体の流れが序盤で何気なく提示されているので、前作が難しくて楽しめなかったひとも楽しめるわかりやすいミステリー映画になってます。
聞いた事ない固有名詞や歴史のうんちくがたくさん出てきますが、これらは聞き流してもらってかまいません。
物語の流れと人間ドラマ、愚鈍さを微塵も感じさせないラングドンの推理を楽しんでください。

天使と悪魔というこの題名もダブルミーニングになっています。
いったい誰と誰のことなのか考えるのも一興です。


☆ローマ・ヴァチカン観光旅行

この映画はローマ市内やヴァチカンの街並みと教会を背景に進みます。
天使や聖人達の彫像、ステンドグラスと壁に彫られたレリーフなど、観光気分も味わえます。
ヨーロッパやキリスト教文化の匂いを、行った気になって感じ取ってください。
広場などでのモブ(群衆)シーンも多く、大作映画としてのスペクタクル感も有り。

音楽は前作に引き続きハンス・ジマー。ハリウッドで3本の指に入る映画音楽家ですね。
賛美歌をイメージした静謐な曲が耳に残ります。


★お尻が痛い

エンタテイメント作品としては尺が長すぎます。
年配の方はシートに長時間座るのがキツいんじゃないでしょうか。
これでも原作をバッサリ切り落として整理してあるそうなんですが…。

映画を見終わってから知ったんですが、ヴァチカンでは一切ロケを行ってないそうです。
たしかに、明らかに人物を合成してあると判るシーンがあったのですが、ロケをしてないとは…。
観光映画という側面もあるのに。
ダン・ブラウンはヴァチカンにゴマをするべき。

映画に登場する反物質ですが、爆発したりはしないそうです。
物語を盛り上げるためとはいえ、このような嘘は好ましくありませんね。

ちなみに、シリーズ第3弾の映画化も決定されたようです。

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